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Mr.戸袋の米国シニアレポート

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PART1 アメリカのシニアライフの現状

 一口に高齢者問題と言っても、アメリカは国が大きく、時差が3時間もあるわけですから、それぞれの州により、その取り組み方は、かなり違います。

 大きくニューヨーク州を中心とした東海岸、フロリダ州を中心とした中部、カリフォルニア州を中心とした西海岸と分けてみましても、そこに住む住民、気候、風土により、それぞれ違った高齢者対策が取られています。

 アメリカの統計調査によれば、65才以上の人口が1995年現在で全体の約12%です。この高齢化率が2020年には今の2倍に高まると予測されており、日本ほどでないにしても、アメリカでも高齢化は確実に進んでいます。

 こうした中で高齢者にとって老後どのように生活するかが、一番の心配な事でもあり、どこで生活するかも、アメリカ人にとっては極めて重要な問題になっています。アメリカ人が老後はどのような都市に住みたいと思っているのでしょうか。老後の生活に適した場所として選ぶ場合、次のような条件が考えられます。

@経済性生活コストが安い、就業の機会がある、将来の成長性がある
A気候気温が快適である
B安全性犯罪発生率が低い
C公共サービス医療施設、公共交通機関、教育機関の充実している
D住宅高齢者住宅が安価に供給されている
Eリクレーション芸術、文化施設、野外リクレーション施設が充実している
F情報サービス新聞やインターネットを通じて必要な情報が提供されている

 アメリカ人が老後住みたいと考えている都市のトップはケンタッキー州マレイ市で、@BDの評価が高い。続いてジョージア州クレイトン市も@BDの評価が高い。第3位はアリゾナ州のホットスプリングス市でCDEが比較的良いと、マクナレイ社が発表しています。それぞれなるほどと思います。特に3位のアリゾナ州は、老後アメリカ人が住みたい場所として、最近非常に人気が高まっている州です。

 1年を通じて穏やかな気候の地域は常に人々の心を引き付けます。そのような理由から、引退した沢山の高齢者が、残りの人生の貴重な時間を過ごす為に、南カルホルニアやアリゾナに集まって来るのです。

 「アメリカン・スピリット」つまりアメリカ人の精神の中に「チェンジ(変わること)はコンスタント(通常である)」「変化する事は普通の事である」ということがあります。ですから年代に応じて、仕事に応じて、住む場所を変えることにもあまり抵抗がありません。よりよい生活を求めてチャレンジ(挑戦)する姿勢は幾つになっても変わりません。

 この章では主にカリフォルニア州やアリゾナ州などを中心としたアメリカ西海岸に住む高齢者と、彼らを取り巻く環境を取り上げています。

 自分の老後をどのように過ごすか、誰もが一番気になるテーマです。それらは沢山の情報提供の中からで選ぶことが出来ます。たとえば新聞です。アメリカでは1つの都市に1つ以上の高齢者専門の新聞が毎月発行されています。カリフォルニア州中心の新聞「シニア・ワールド」はペ−ジ数が50ページもあります。

 「シニア・ハイライト」「カリフォルニア・シニア・シチズン」もあります。アリゾナ州サンシティでは「デイリイニユース・サン」が毎日発行されれいます。高齢者はそれらの新聞や雑誌の中から豊富な情報を得て、自分達の将来の生活設計に大いに役立せています。

 情報と言えば、インターネットがアメリカの高齢者に変化をもたらし始めました。多くの高齢者のボランティア団体がインターネットにホームページを持ち、自分達の団体の活動内容を紹介しているからです。ここでは最も新しい高齢者向きの情報が得られ、生活上の問題などの相談に乗ってくれる団体もあります。

 多くのリクレーションセンターでコンピユーター教室が開かれ、高齢者がその使い方を学んでいます。コンピューター教室のインストラクターはほとんどがコンピューター会社からのボランティアの皆さんです。

 アメリカの高齢者社会を支えているのは多くのボランティアのボランティア活動であり、彼らの力が無ければ成り立ちません。

 アメリカ人の心の中には「奉仕されるのではなく、奉仕しよう」の言葉が根底にあります。どんなにお金持ちで、多くの寄付をしても、自らが手を貸さないとアメリカの社会では認められません。

 アメリカのシニアに関してのボランティア活動は1960年頃から盛んになり、多くの非営利のボランティア団体が誕生しました。今では100万をこす非営利の団体があると言われておりますが、その中に高齢者団体、福祉団体等もあるわけです。非営利団体には税制上の特典があり、個人でも法人でも寄付金には税金の免除があります。

 高齢者の生きがいとはどういうことなのか、毎日、元気に生き生き生活をするにはどうしたらよいか、そこで生まれて来たのが、高齢者に対してのリクレーション活動でした。

 アメリカで言う「リクレーション」という言葉は元気の回復、休養、気晴らし、娯楽、遊戯、運動などに広く使われています。

多くの都市の高齢者の活動センターには、リクレーションの専門ディレクターがおり、色々な活動を提供しています。健康のため、教養のため、気晴らしのため、沢山のプログラムが作られています。サンシティでのリクレーション部門は98部門にもなっています。これらの活動を支えているのも、多くのボランティアの皆さんです。

 リクレーション活動がアメリカの高齢者の生活の中心になっていることは間違いありません。

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