秋の音楽夜話:今泉令而
ジーンさん;多忙な中、私のメールに答えてくれて有り難う。あなたのクラシック音楽の好みが手にとるように伝わってきて親近感を覚えました。大公トリオが愛するご主人との出会いの曲だったなんて何て素敵なんだろう。私は今でも時々この曲をCDと一緒にバイオリンを弾くんですよ。CDはピアノがアシュケナージ、バイオリンがパールマン、チェロがリン・ハレルだから気分最高です。もっともまだ
合わないところが所々あるけど。
引越しの時のレコード17箱分て何枚か分からないけど1箱100枚として1700枚だろうか、それとも200枚で3400枚だろうか?凄いファンだったんだね。もっともご主人がプロのピアニストだったんだから不思議ではないかも知れませんね。
あなたの音楽の好みは全く正統派ですね。オペラが特に好きだというのはクラシック音楽の最高だという人もいます。
しかし私は悲しいかなオペラはついに未だ近づけずにいます。私は前にメールしました通り大変偏ったクラシックファンです。私の奇跡的?思い出をちょっと披露します。
あれは1951年の夏のこと、私は肋膜炎で自宅療養中でした。ラジオの音楽鑑賞を聞きながらトルストイの「クロイツェルソナタ」を読んでいたのです。するとラジオが「では次はべートーベンのクロイツェルソナタを聞くことにしましょう」と云うではありませんか。
私は思わず本を落とさんばかりに驚きました。この小説はご承知かと思いますが、主人公の妻(バイオリニスト)と若い男性(ピアニスト)が、コンサートを前にベートーベンのクロイツェルソナタを練習しているシーンが大事な場面です。私はそれまで極くポピュラーなクラシックしか知らず、こういう曲があることなど全く知りませんでした。この衝撃的な偶然が私がクラシックに目覚めたきっかけになりました。
少し長話になりましたね。日本は秋は芸術の秋とも云います。今私はブラームスの弦楽6重奏1番(かのフランス映画「恋人たち」のBGMで有名になった)を聞きながらキーを打ってます。ではごきげんよう。
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